現金100万円を預金と投資でどちらが得なのか

若い世代は分からないが、中高年世代は株=なんだか胡散臭くて怪しいもの、という価値観が長いこと刷り込まれてきた。特に汗水垂らしてお金は稼ぐものという考え方も強かった。それはそれで正しいのではあるが、現状銀行にお金を預けたままだと一向に増えないのも事実で、最近は国も老後に備えて自分で運用しとけと、年金崩壊を見越して投資を煽っている始末である。(NISAがそれだ)

「お金を貯める」ことは大切だが、最近は「どう貯めるか」「どう使うか」も考える時代になってきた。では、仮に現金100万円があったとしたら、銀行に預けるのと投資に使うのとでは、どちらが得なのだろうか?


1. 銀行に預けた場合

現在、日本の銀行の普通預金の金利は年0.2%程度である。つまり、100万円を1年間預けていてもたった2,000円しか増えない(※税引前)。

しかも、物価が年に2%ほど上がっているとすると、同じ100万円で買えるものの量は毎年すこしずつ減っていくことになる。これは、「実質的にお金の価値が減っている」と言える。

まとめ:

  • 安全性◎(元本保証)
  • 増えにくい
  • インフレに弱い

2. 投資に使った場合(例:インデックス型投資信託)

たとえば、S&P500に連動するインデックスファンドに投資した場合、過去の平均リターンは年5〜7%前後とされている。100万円を年5%で運用できたとすれば、1年後には約105万円になる。

もちろん、投資には「元本割れ(損をする)」というリスクもある。年によってはマイナスになることもあるが、長期でみるとプラスになる傾向が強い。

まとめ:

  • リスクあり(元本保証なし)
  • 増える可能性あり
  • インフレに強い

3. 10年後にどうなるか比較

項目銀行預金(0.001%)投資信託(5%で仮定)
1年後1,000,010円1,050,000円
5年後約1,000,050円約1,276,000円
10年後約1,000,100円約1,628,000円

※投資信託は年5%の利回りを複利で計算(実際の利回りは変動します)

なぜ長期で投資するとプラスになりやすいのか?

株や投資信託は「短期的には上下があるけれど、長い目で見ると増えていくことが多い」とよく言われている。では、それはなぜだろうか?主な理由は3つ。


1. 経済は基本的に「成長」するものだから

世界の経済は、長い歴史の中で「少しずつ成長」してきた。たとえば、昔よりも便利なものが増え、企業の利益も増えている。新しい技術が生まれ、人々の生活が良くなっていく中で、企業の価値(=株の価格)も上がってきた。

実例:

アメリカのS&P500という代表的な株価指数は、以下のように成長してきた。

  • 1980年:約110ポイント
  • 2000年:約1,500ポイント
  • 2024年:約5,000ポイント前後(出典:Yahoo! Finance

つまり、約40年で40倍以上に増えたことになる。


2. 「複利の力」でお金が加速的に増える

投資では「複利(ふくり)」というしくみが働く。これは、利益が次の利益を生むという考え方である。

たとえば:

  • 1年目:100万円 → 5%増 → 105万円
  • 2年目:105万円 → 5%増 → 約110.25万円
  • 3年目:110.25万円 → 5%増 → 約115.76万円

このように、「元本」だけでなく「過去の利益」にも利息がつくことで、年数が長くなるほど増え方が加速していく


3. 短期の「上下」をならすことができる

株価は短期間で大きく下がることもある。でも、長い期間で見ると、悪い年もあれば良い年もあり、全体としては平均的にプラスに戻ることが多い。

例:

  • 2008年のリーマンショックで株価は大きく下がったが…
  • その後10年かけて元に戻り、さらに上がっていった

短期で「損をした」と思っても、持ち続けることで回復するチャンスがある。


まとめ

理由内容
経済成長企業や技術の発展により株価が上がりやすい
複利効果利益が利益を生み、時間とともに加速する
平均化効果長期で見ると一時的な損を吸収できる

投資に「早く始めるほど得」と言われる理由

上記のような理由から、若いうちから少しずつ投資を始めることで、将来の大きな資産づくりが可能になる。もちろんリスクはあるが、長期という時間がそのリスクを分散させてくれるのが大きな特徴である。


結論:どちらが「得」かは目的次第

  • 「絶対に損をしたくない」「使う予定が近い」なら銀行預金が安心。
  • 「お金を育てたい」「使うのは10年後でもいい」なら投資の方が有利になりやすい。

将来に向けてお金を育てていきたいなら、少しのリスクを理解しながら、投資に挑戦することも選択肢の一つになる。


松井証券

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