がんと情報収集5

セカンドオピニオンとは?

他の医師の意見を聞く意味と注意点

結論(この記事のポイント)

  • セカンドオピニオンは、治療の選択肢やリスクを客観的に確認する大切な機会。
  • 勝手に他院を受診するのではなく、主治医を通じた正式な手続きがおすすめ。
  • 診療科の選び方次第で、意見や提案は大きく異なることがある。
  • 自分の価値観や生活の質(QOL)を守るために「納得できる治療」を探す手段として活用を。

Q1. セカンドオピニオンとは?

セカンドオピニオンとは、「現在の主治医以外の医師に、治療方針について意見を求めること」です。これは転院や主治医の変更とは異なり、治療の妥当性や他の選択肢を確認するための行動です。

多くの病院には「医療支援センター」などの窓口があり、主治医に相談すれば紹介状を通じて、他の医師に意見を求める手続きを進められます。

なお、主治医に無断で他院を受診するのは基本的におすすめできません。これまでの検査データや治療経過が共有されず、正確な判断が難しくなるからです。


Q2. セカンドオピニオンを希望すると主治医は嫌がる?

心配はいりません。大半の医師は、患者が納得して治療に臨むことを望んでいます。セカンドオピニオンを希望すること自体を否定する医師はほとんどおらず、”セカンドオピニオン=転院”ではなく、あくまで「第三者の視点で治療方針を検討する」ためのものです。

もちろん、最終的に転院することになれば、紹介状の発行など正式な手続きを踏むことになります。


Q3. 実際にどう活用した?体験談から学ぶ診療科の選び方

私自身の体験では、最初の手術後に「さらに大きな開腹手術が必要」と言われましたが、強い不安を感じてセカンドオピニオンを希望しました。

当初は同じ診療科(外科)でのセカンドオピニオンだったため、結論も「やはり切るべき」と同様の見解でした。外科は手術を担う診療科なので、当然といえば当然です。

しかし「QOLの低下をできる限り避けたい」と思った私は、主治医にお願いして放射線科の意見を聞くことに。そこで「肛門管癌に小線源治療を応用できる可能性がある」と聞き、結果的に転院してその治療を選びました。

このように、診療科が変われば、治療の選択肢やアプローチも変わる可能性があるのです。


Q4. セカンドオピニオンは誰のため?

「手術が怖い」「今の先生が合わない」といった気持ちも理由のひとつかもしれません。

しかし、セカンドオピニオンの本質は、

  • 標準治療の妥当性を確認する
  • 他に選択肢があるかを冷静に検討する ための手段です。

たとえば、「◯◯を食べれば治る」といった根拠のない民間療法に流れるのではなく、医療的に妥当な代替案を探す場として位置づけましょう。


Q5. タイミングはいつがベスト?

ベストなタイミングは、主治医から治療方針(ファーストオピニオン)を聞いた直後です。治療が始まってしまうと選択肢が限られることもあるため、早めの相談が望ましいです。

また、主治医が話しやすそうな人であれば、率直に「不安なこと」や「他の選択肢が気になっている」と伝えることも有効です。今の時代、ほとんどの病院では患者の権利やインフォームドコンセントが尊重されます。


まとめ:納得のいく治療のために

セカンドオピニオンは、「自分にとって納得できる医療」を受けるための大切な手段です。医師と信頼関係を築きつつも、客観的に選択肢を探ることで、後悔のない治療方針を選べる可能性が高まります。

「迷ったら聞く」——それが正しい判断への第一歩です。
※標準治療についての詳しい話は、「がんと情報収集2」もご覧ください。

https://asplus.biz/tama/archives/379

なお、セカンドオピニオンを受ける最適なタイミングは、主治医から治療方針(ファーストオピニオン)の説明を受けた直後です。
そして主治医は国家資格を持つ医療のプロです。もし話しやすそうな医師であれば、「何が心配か」「何が怖いか」などを素直に聞いてみるのも良いと思います。
特に近年はコンプライアンスも徹底されており、きちんとした大病院の医師であれば、真剣に話を聞いてくれるはずです。

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です